お客様の声

脳梗塞後遺症の患者様から頂いた声です

82歳の母が元鍼灸治療院にお世話になったのは、脳梗塞を発症して左半身麻痺になってから一ヶ月経ったときでした。病院では、入院から一週間でベッドサイドのリハビリが始まり、他動的に脚や股関節を動かしてもらったり、起き上がる練習などをさせてもらい、20日くらい経つと、右足を支えに右手でバーにつかまって、ごく短時間ですが、ひとりで立つことができるようになりました。一方で、左腕の付根や肘に激しい痛みを覚え、リハビリが十分にできなくなるときがあったり、左指先の細かな感覚の質問などに投げやりになってしまうようなことがあったり、またリハビリのない週末や三連休には焦りが募るようになっていました。

順調に回復しているように思えていたのが、壁にぶつかったままの時間が流れ、なんとか状況を打開しなければと思い、知り合いの鍼灸師に週末に来てもらう許可を主治医から得、さらにウェブサイトで見つけた元鍼灸治療院にもお願いをしました。

先生がベッドに横になった母の脚を持ってくださりながらの足を蹴る運動や後ろから上半身を起こしてもらってする腹筋運動、肘の上げ下ろしなどが始まりました。毎回、先生が来られる前は少し緊張気味でも、始まると、どんどん生き生きしていき、終わる頃には充足感に満ちた明るい表情になっていました。ベッドで横になるか車椅子に座るか、車椅子を押してもらって移動するかという生活のなかで、母は再び立って歩けるのだろうかという不安に支配されていたと思います。そんな母に、確かな言葉にはされなくても、歩ける、そのための筋力をつけているのだ、ということを伝えながら、余計なことを考える余地を与えず、ひたすら身体を動かせてくださいました。そのことが母の心身に好影響を与え、モチベーションが下がることなく、麻痺した箇所の可動範囲が少しずつ拡がり、基礎的な筋力が高まっていきました。

入院中の時間を極めて有意義に使うことができた母は、5ヶ月あまりの入院の後、杖だけで自宅に帰ってくることができました。退院後は、週6日自宅に来ていただき、より安定して歩けるように、また左腕、肘、指先の動きがよくなるように、筋肉の鍼通電による動き方の誘導やいろいろの動作を含む運動をさせてもらい、杖は離せませんが、入浴以外、自分のことは全て自分できるようになりました。発病から一年経った現在、まだまだ不完全ではありますが、左肘が上がり、左手で物を押さえたりつまんだりができるようになり、元々好きだった編み物や書道を楽しんでいます。

高齢であっても、病気になる前のように暮らしたいという気持ちに変わりはなく、そんな願いを元鍼灸治療院の若い先生方は全く当然のことと理解して、指導し、施術しつづけてくださいます。そのことが、不自由ながら自宅で明るく生活できる現在につながっていると感謝しています。そして、もっともっと良くなることを目指して、先生方といっしょに励んでいきたいと思っています。